写真 : エモンズ(USS Emmons)ダイビング・沖縄最大の沈没船
ダイビングを趣味としている人は、沖縄のダイビング事故のニュースが報道されると気になってしまうのではないでしょうか。プロのインストラクターがいて気をつけているはずなのに、なぜ事故が起きてしまうのか。ダイビングは危険なのか。次のダイビングが不安になってきてしまう方も多いと思います。
深い海の中という特殊な環境で行うダイビング。危険性は確かにあります。しかし、ダイビング中の事故のほとんどは、準備や確認を怠らなければ防ぐことができるのです。この記事では、事故のよくある原因とその予防方法を解説していきます。
沖縄ダイビング事故のよくある原因
最近のダイビング事故の原因の多くは、次のいずれかにあてはまります。
・体調不良、持病
・技術不足
・インストラクターの不注意
・バディと離れた
・器具の不備、取り扱いのミス
・エア切れ
・悪天候
・窒素酔い
ほとんどが準備や確認をしっかりしていれば防げることです。お客の側ではどうしようもないのがインストラクターの不注意ですが、これはお客さんに対してインストラクターの数が少ない場合に起こりやすくなります。
ダイビングコースを指導できるインストラクターの数が十分なショップを選びましょう。また、安全対策がしっかりしていてダイビングポイントのことも熟知している、信頼できるショップかどうかも確認すべきです。
ダイビング事故を防ぐには
それでは、どうすれば事故を引き起こす要因を取り除けるのでしょうか。上に書いた通り、まずは信頼できるショップを選ぶこと。そして、インストラクターの指示に従い、ダイビングのルールを守ることは大前提です。その上で、次のポイントに注意することが大切です。
1. 体調管理
2. 下調べ
3. 器材の点検・使い方の確認
どれも当たり前のことですが、ダイビングに慣れてくるとだんだんといい加減になってしまうものです。天候や体調が多少悪くても、ダイビングを決行してしまった経験がある方もいるかもしれません。ここからは、これらの確認の重要性を改めて解説します。
①体調管理・チェックをする
普段はない水圧にさらされるダイビングでは、身体、特に心肺機能や血管に大きな負担がかかります。若く健康な人には問題ありませんが、高血圧・糖尿病などの持病がある方や、40代以上の方では、ダイビングによって心肺機能に問題が生じるリスクが高まります。
実際、40代以上の体調不良による事故は、ダイビングでの死亡事故の多くを占めています。これまで何の問題もなくダイビングを楽しんでいたベテランダイバーが、ダイビング中に突然体調が悪化してそのまま…なんてこともあるのです。特に40歳を過ぎたら、ダイビング前の体調チェックを怠らないようにしましょう。
また、若いダイバーでも体調が優れない時は、当日でもキャンセルするべきです。特に沖縄でのダイビングは長距離移動を伴うことが多く、疲れが溜まっていることもあるかもしれません。無理なスケジュールは避けて、万全な体調で潜るようにしましょう。
②下調べをする
ダイビングスポットには、それぞれ難易度、地形、天候・海況の変わりやすさ、生息している生物など、様々な特徴があります。初めて行く場所では、そのスポットの特徴をあらかじめ調べておきましょう。危険な場所があったり、危険な生物が生息したりしていないかは要注意です。
下調べした上で、ダイビングプランをしっかり立てることも安全なダイビングにつながります。また、当日の天候も必ず確認し、ダイビングに適さない場合は中止にするか行き先や時間帯を変更しましょう。
③器材の点検・使い方の確認
水中で過ごすのには不可欠なダイビング器材。ダイビング中に不具合が生じることを避けるためには、ダイビング前のメンテナンスと点検が大切です。また、器材をレンタルする場合は、自分に合っていて使いやすいものかどうかも確認しておきましょう。
もしもダイビング中に器材トラブルが起きても、対処法はCカード取得時に学習しているはずです。久しぶりのダイビングの時には、トラブルへの対処法も復習しておきましょう。
大切なのは無理をしないこと
体調が優れない、天気が悪い、自分にとって難易度が高い、久しぶりのダイビング…それなのに少し無理をしてダイビングを決行してしまうことが、思わぬ事故に繋がることがあります。当日の体調や天候で中止にするとキャンセル料がかかってしまう場合もありますが、命はお金より大切です。
ブランクダイバーも要注意
久しぶりのダイビングで無理をしてしまうのも危険です。マスクが外れてしまったり、海水を飲み込んでしまったり、落ち着いて対処すれば大きな問題にならないことでも、久しぶりのダイビングで感覚や知識が抜けていると、パニックを起こしてしまう場合があります。
パニックになった結果急浮上してしまい、減圧症になってしまう…という事例も多くあります。心に余裕をもってダイビングをするためにも、久しぶりのダイビングの時は無理をせず、少しずつ感覚を取り戻していきましょう。初日はリフレッシュダイビングに参加するのもおすすめです。